マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様
胸の脈打つ音と共に、体も大きく震えてしまう。
顔を上げると、真琴はいつきたちのいる方向ではなく、こっちに向かって歩いてきていて。
私の目の前にやってくる。
「真琴…」
「星月、また今度っていつ?あんたろくに連絡もよこさないじゃない。どういうこと?」
目の前の真琴は、目を細めて不服そうな表情を見せている。
「…真琴!」
いつきと瑠華が慌てて戻ってきた。
そして、そこから動かない真琴の手を引っ張っている。
「真琴、ダメだって!そこはそっとしておいてあげようってみんなで約束したでしょ!」
「星月だって大変だったんだから、ね?ね?」
「…大変?」
すると、真琴はグッと眉間にシワを寄せて二人の手を振り払う。
「それはあんたらが勝手に約束したことであって、私は知らない!…星月、会ったら直接言ってやろうと思ってたんだわ!」
どんどん自分自身の血の気が引いていくのがわかる。
どうしよう。
どうしよう…抉られる。
核心を。
「星月、あんた。その膝、治ってんだよね?…リハビリも終わってんだよね?!」
「……」
突然の事に頭が真っ白になってしまった。
何も答えられずにいると、真琴はイライラした口調で話を続ける。
「…じゃあ、何で?何であんたはサッカー続けてないの?何でやめてんの?」