マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様
「そ、それは…」
「星月、手術した時も退院してからも私達に『大丈夫』って言ってたよね?またサッカー出来るようになるって…大丈夫って私達に言ったよね?」
「あ…」
「じゃあ、何で?何でサッカー続けてないの?何が『大丈夫』なの?」
「………」
「ケガしてからリハビリを理由にチームにもろくに顔を出さない。こっちから連絡しても、返信は一切なし。高校の体験会にひとつも顔を出さない!…何が『大丈夫』なの?」
『大丈夫』
…あの時の私に、この言葉はとても危険だった。
大丈夫じゃないのに、笑顔を作って大丈夫と口にする。
大丈夫じゃないのに、いつもの強がり。
でも、強がるにはあまりにもダメージが大きすぎた。
「…それに、あんた。うちの高校から『治療中でも構わないから入学してほしい』って、特待生の話、来てたんでしょ?なのに、断って…サッカーを続けることはいくらでも出来たワケでしょ?!」
「………」
「…なのに、あんた何やってんの?!全然『大丈夫』じゃないじゃない!どれだけ心配したと思ってんのさ!」
もう、返す言葉がない…。
ここで『大丈夫』は、もう通用しない。