マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様
「何か言いなよ…何か言ったらどうなの!」
「あ…」
そう言って私を責める真琴は、迫力があって威圧感すら感じる。
普段のいつもの関係なら、負けずに言い返せるんだけど。
今回ばかりは、非は絶対自分の方にあるので、何も言い返せずにいた。
何を言えばいいんだろう。
こういう時、何を言えば…。
《じゃあ、何で?》
《何が『大丈夫』なの?》
もう『大丈夫』は通用しない。
だけど…『大丈夫』だと思っていたんだよ?あの時は。
でも…大丈夫じゃなかった。
なのに『大丈夫』と、合言葉のように繰り返して笑顔を作っていたのは。
悲劇のヒロインになりたくなかった。
みんなに、心配をかけたくなかった…。
ごめん、大丈夫じゃなかった。
でも、今更になって、そんなことを言い出したら、どうなるの?
みんな、私のこと…どう思う?
強がってばかりで、たいしたことないじゃん。
そう、軽蔑されるんじゃないかって。
どうしようも出来ず、ソワソワしていると。
ふと、蓑島くんの姿が目に入る。
蓑島くんは、真琴がこっちに来てからは黙って様子を見ているようだ。