マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様
そんなあなたに幸あれ
***
「ケンカ、ちゃんとしようとしたじゃん」
「え…?」
「ケンカっつーか…ちゃんと言いたいこと、言えたんじゃないの?」
言いたかったこと…言えたのかな。
「でも…逃げちゃったよ」
「大丈夫大丈夫。あのくらいなら」
「………」
『大丈夫』
こんなにも、安心させてもらえる言葉のはずなのに。
私は、その大売り出しをしてしまったがために。
「私…逃げてばっかりだよ…」
ーー逃げてばっかりのきっかけとなったのは。
中学三年生の夏休み。
瞳真との一件があった、その1ヶ月半後のことだ。
今シーズンの集大成ともいえる、全国大会。
その二回戦の後半にて、相手のマークを振り切りうと足を切り返した時に、相手が突然ハードチャージしてきて、猛烈な勢いで一緒に倒れ込んでしまう。
その時、ブチッという音がしたのを覚えている。
こぼれたボールを追いかけようと立ち上がろうとしたが、右膝に激痛と抜けた感覚があって、立てずに、その場に踞ってしまう。
痛い。
痛いし、何で立てないの?
「ケンカ、ちゃんとしようとしたじゃん」
「え…?」
「ケンカっつーか…ちゃんと言いたいこと、言えたんじゃないの?」
言いたかったこと…言えたのかな。
「でも…逃げちゃったよ」
「大丈夫大丈夫。あのくらいなら」
「………」
『大丈夫』
こんなにも、安心させてもらえる言葉のはずなのに。
私は、その大売り出しをしてしまったがために。
「私…逃げてばっかりだよ…」
ーー逃げてばっかりのきっかけとなったのは。
中学三年生の夏休み。
瞳真との一件があった、その1ヶ月半後のことだ。
今シーズンの集大成ともいえる、全国大会。
その二回戦の後半にて、相手のマークを振り切りうと足を切り返した時に、相手が突然ハードチャージしてきて、猛烈な勢いで一緒に倒れ込んでしまう。
その時、ブチッという音がしたのを覚えている。
こぼれたボールを追いかけようと立ち上がろうとしたが、右膝に激痛と抜けた感覚があって、立てずに、その場に踞ってしまう。
痛い。
痛いし、何で立てないの?