マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様
目の前にいる帽子を被った練習着姿の蓑島くんは、慌てた顔をして「しーっ!」と、自分の口元に人差し指を当てている。
小声で「覗いてんの、バレちゃうでしょ!」と耳元で言う。
あっ…そうだった!
なのに、大声出しちゃって…!
「…誰かいるのか?!」
一段と張り上がった、瞳真の声が響く。
ば、バレちゃった…!
がさがさと足音が聞こえる。
やだっ…こっちに来る!
ど、どうしよう…!
「…俺に任せとけ」
え?蓑島くん…?
すると、腕を勢いよく引っ張られる。
蓑島くんの腕に包まれ、胸の中に引き寄せられ、顔を胸に埋めた状態に。
そして、そのまま後ろにバーン!と押し倒された。
な、ななな何?!
仰向けに寝かされた私。
蓑島くんの胸に顔を埋めて、抱き締められている状態。
…と、いうか、上に乗っかられて、押し倒されている状態!
(や、や…ちょっと!)
「み、み、蓑島くん…」
「大丈夫。俺に任せろ?」
任せろって…!
顔は胸の中で、何も見えない状態。
…でも、蓑島くんが不敵にドヤ顔をしているのは想像がつく。
「…誰だ!」
声が一段と大きく聞こえる。
瞳真がこっちに来た?!
ああっ!どうしよう!
「…っつーか、誰だとはなんだい!…これからお楽しみだっつーのによ?…邪魔すんな!」
「…はぁっ?!…蓑島ぁっ?!」