マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様
『じゃあなー星月。お大事になー』
『頑張れよー』
しばらくすると、みんなぞろぞろと帰っていく。
ベッドの上から手を振って見送った。
(………)
『仲間』だと思っているみんなにも、本当のことを言えなかった…。
私、何してんの?
何が…したいの?
『恐い』『不安だ』って思ってるのに。そう言いたいのに。
でも、『大丈夫か?』と言われると、思わず『大丈夫』と答えてしまう。
その結果、ちぐはぐした状態に心が疲弊する。
この『大丈夫』という言葉を発する度に、胸の中にこさえていた自信がガラガラと崩れていく。
本当は『大丈夫』というには、ショックとダメージがあまりにも大きかったのだ。
気疲れに、そのままボーッと放心してしまう。
…そして、その直後。
みんなと入れ違いに病室に入ってきたのは、お兄ちゃんの友達であり、最も尊敬するサッカー少年団の先輩。
彼女であるパン屋さんの娘も一緒だった。
『星月どうよ?調子は』
…ええ、大丈夫ですよ?
『………』
すると、じっと見つめられる。
目の奥の奥を見られているような。
『大丈夫じゃねえだろ。目、死んでんぞ』