マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様
みんながグループラインで、高校のセレクションを受けただの、入学が決まっただの報告をしている。
みんな、どんどん前に進んでいる。
でも、私は高校からの特待生の話は、このケガによって、ことごとく無くなっていった。
しかし、そんなこと、今の私にとってはどうでもいいことになっていて。
置いていかれる…。
そのグループラインは退会はした。
それからというもの、ヤル気があまりでなくて、リハビリも行ったり行かなかったり。
家で引きこもりがちになる。
かろうじて歩けるけど…前みたいに、サッカーが出来る気が全然しない。
…私、前みたいにサッカー出来るようになるの?
ふと、あのケガした瞬間のことが頭に過る。
あの時のひっくり返った視界や、激痛。
混乱や、不安。
思い出したくなくて、その度に頭を抱えて怯える。
あんなに大好きだった…自分の全てだったサッカーが、今は恐い。
もう、サッカー出来ない。
したくない。
サッカー、もうしない。
やめる。
そう心に決めると、その心にはぽっかりと穴が開く。
実にヤル気のない生活を送っていた。
学校でも、必要最小限の会話しか出てこない。
学校が終わればさっさと帰宅して家に引きこもる。
今考えたら、軽く病気だったんじゃないか。
そんな毎日だった。
…結果、足は治っても。
気持ちが着いていかなかった。
這い上がれなかった。