マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様


みんながグループラインで、高校のセレクションを受けただの、入学が決まっただの報告をしている。

みんな、どんどん前に進んでいる。



でも、私は高校からの特待生の話は、このケガによって、ことごとく無くなっていった。

しかし、そんなこと、今の私にとってはどうでもいいことになっていて。



置いていかれる…。



そのグループラインは退会はした。




それからというもの、ヤル気があまりでなくて、リハビリも行ったり行かなかったり。

家で引きこもりがちになる。

かろうじて歩けるけど…前みたいに、サッカーが出来る気が全然しない。




…私、前みたいにサッカー出来るようになるの?




ふと、あのケガした瞬間のことが頭に過る。

あの時のひっくり返った視界や、激痛。

混乱や、不安。



思い出したくなくて、その度に頭を抱えて怯える。



あんなに大好きだった…自分の全てだったサッカーが、今は恐い。

もう、サッカー出来ない。

したくない。



サッカー、もうしない。

やめる。



そう心に決めると、その心にはぽっかりと穴が開く。

実にヤル気のない生活を送っていた。

学校でも、必要最小限の会話しか出てこない。

学校が終わればさっさと帰宅して家に引きこもる。

今考えたら、軽く病気だったんじゃないか。


そんな毎日だった。



…結果、足は治っても。

気持ちが着いていかなかった。

這い上がれなかった。



< 253 / 800 >

この作品をシェア

pagetop