マイラヴレディ～俺の愛しいお姫様

すると、蓑島くんはまた笑う。



「いーのいーの。俺は逃げられても追い掛けるだけ。地の果てまでも！」

「………」

…あなたがそう言うと、正直恐いんですけど。

本当にどこまでも追い掛けてきそうだ。神出鬼没だし。

隣で、なぜかほくそ笑んでいるのも恐い。



「それにね。ちょっと話してきたよ？彼女たちとも？」

「えっ？！…」


みんなと話を？！初対面でしょ？

この男…人たらしなんだろうけど。

手が早い…。



どこまでもプレイボーイ…と、思いきや。

話を聞くと…そうではなかった。



「…ちょっと軽くモメてたみたいだから、仲裁に入ってきた」

「えっ？！」

「あと『星月には近日連絡させますんで、それまで待っていてください』とも言ってきた」

「えぇっ？！…ちょっと！勝手に！何で！」

何でそんなことになってるの！勝手な…！

隣にある腕を小突くと、蓑島くんは「いひっ」と笑って返す。



「…お互い、会話不足だよ？君たちは」



そう言って、蓑島くんは得意の不敵な笑みを浮かべる。



「会話不足…？」



想定外の言葉を告げられ、確認するように呟いてしまった。