マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様
「そう。会話不足。だからすれ違いでお互い誤解が生まれてんの。お互いのことを知るために、自分のことも知っておいてもらうべく、相手の話を聞いて、自分の話も相手に聞かせるべし」
「そんな…」
「恐がらずに。勇気を持って、こじ開けて踏み込んででも、相手に伝えるべし。大事だよ?」
「だからって近日って!もう…」
「あはははー」
「…笑って誤魔化すな!」
だからと言って、何で勝手なことを言うの…。
『近日連絡させますんで』なんて、急だよ!
一年近く音信不通にしていたみんなを相手に、何てことをブッ込んでくれるの!この鬼!
…と、思ったけど。
蓑島くんの不敵なドヤ顔を見て。
冷静に考えると、ハッと気付かされる。
ひょっとして、これはまさか。
蓑島くんがあえてのお膳立てをしたのでは…?
一歩踏み込む、勇気の出ない私に。
背中を押すかのように。
私の隣の蓑島くんは、不敵な笑みを私に送り続けている。
「さあー?電話しないとなー?」
そして、ニヤニヤと笑ってくる。
…やはり、この男。確信犯だ。
(…もう)
蓑島くんはなぜ。
私なんかのために、そこまでやってくれるんだろう…?
もう、敵わないな。