マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様
マネージャーになったことに後悔はないが。
正直…やっぱりやりたくなってきた。
自分のサッカーを。
「…うん。やりたい。本当はね」
何で、あの時気付かなかったんだろうっていう後悔はある。
その本音ははっきりと伝える。
それを聞いた蓑島くんは、なぜか「おぉっ!」と声をあげた。
「…じゃあ、やろうよ?俺と」
「………」
私の聞き間違いでございましょうか…。
「…え?」
「だーかーら!俺とサッカーやろうぜ!」
「えぇっ?!」
何なのそのフリは。
俺とサッカーやろうぜ!なんて、まさかあの超次元サッカーアニメの真似だろうか。
…しかし、その詳細は、翌日明らかになる。
午後のロングホームルームで。
クラス委員が教壇に立ち、クラスみんなでお話合いの機会。
1ヶ月後に行われる球技大会の種目の振り分けだった。
種目は、バレーボール、サッカー、卓球、テニス。
女子は必然的にバレーボールと卓球かテニスとなるんだけど…。
「話し合い始めまーす」のクラス委員の合図に真っ先に手を上げたのは…この男だった。
「はーい!はいはい!蓑島と杉久保、サッカーでお願いしますっ!」
「………」
蓑島くんの突拍子もない予想外の発言に、クラス全員が絶句…。
もちろん、名前の上がった私も…。