マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様
『しかしさ、もうサッカーやんないの?星月ほどの選手がもったいない』
うにクリームパスタを食べながら、一人がボソッとその一言を口にする。
すると、他の一人が『そうだそうだ!』と乗っかった。
『だってケガ治ってるんでしょ?サッカーできるじゃん!』
『元オールジャパン選抜だよ?どの高校も喉から手が出る程欲しい選手…なのに、今は男子サッカー部のマネだとわ…』
『えー!したら、高校編入とかあり得ちゃう?!わぁー!マンガみたい!』
すると、いつきが思い余ってガタッと席を立つ。
『ぎゃー!だったらサザ女子に来てー!理事長先生に頼めば星月だったら即編入!だよー!…ね?ね?真琴?』
『いつき、あんた無理ありすぎ。みんなも落ち着け』
『えー!』
そうそう。この雰囲気。
みんながしょうもないことでドッカンドッカン騒ぐのを、キャプテンの真琴がサクッと諌める。
ホント、変わらない。
嬉しくなって、笑ってしまった。
『あはは。みんな変わらない。マンガみたい面白すぎ』
『もぉー!星月、どうなのさー!』
『うん…サッカーはやりたいよ?でも…』
でも、気付いてしまったことがある。