マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様



…でも、あれ?

伊野くんって、美優のことが好きなんじゃ?


でも、それは日頃の伊野くんの美優に対する態度からなる私の勝手な想像で。

違ったんだ…。



周りに興味津々な視線を注がれ観念したのか、伊野くんは渋々とその重たい口を開く。



「…俺はすぐにでも公にしたいんだけどさ。あっちの事情を聞いたら、協力してやんないと可哀想でさ。っつーワケで、相手の名前、今は言えない」



キッパリとそう言い放つと、なぜか周りは「おぉー」と声を揃え、拍手まで起こった。

え?何で?



「男・伊野敦斗だな。なぜか伊野ごときに感動したぞ。俺は」

杉久保イレブン(…)の一員になった今村くんは、手を叩きながらうんうんと頷いている。

「でも相手人妻だぞ?昼顔応援してやんの、どうなのよ」

「加藤おぉっ!人妻じゃねえぇぇっ!普通に可愛いJKだあぁぁっ!」

「おー。そうでござったか。JKでよござんしたね。まあJCって言われても逆に困るわ。JDなら尊敬できてもHDもHGでも困るわ」

「HD?何?ホールディングス?」

「人妻」

「HGはいろんな意味で困るな」


すこぶるくだらない…。


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