マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様
「っつーか、いつになったら言えんのよ」
「うーん…年内には…」
「っつーか、えっちんさっきから黙ってね?事情知ってるだろ」
「おー。知ってる知ってる。でも敦斗は同じ部だし、一応友達だから言うとおりに黙ってやってる。堪忍な」
越後谷くんは、ニヤッと蓑島くんに負けないくらいのドヤ顔を浮かべている。
越後谷くんは知ってるんだ…。
「チキショー。えっちん、口滑らせろ」
「敦斗が俺の気分を害したら口も滑るかもしんね」
「夏一、口滑ったらマジ殺すぞ」
「…だそうです!サッカー部の杉久保マネージャー!」
「キャプテン!」
そして、そこの男子全員が一斉に私を見る。
…は?私?
「せーづーマーネ!…おたくの部員が大会真っ最中にも関わらず、秘密の恋愛やっちゃってますわよー!」
「…おいっ!今村!そこはやめて!やめて!」
「………」
伊野くん、そこはやめてってどういう意味ですか。
なぜ、私に知られたくないのですか。
うちの部は、彼女作るの禁止とかありませんけど?
さすが私、恐れられてるだけあるわ。
…まあ、いいけど。
「…ご自由にどうぞ」と答えると、蓑島くん含むガヤの男子たちは「うぇーい!」と言いながら、なぜかハイタッチを始めていた。
男子って、よく分からない。