マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様
その後、横川さんは乾燥を終えたタオルを持って、私に手を振り洗濯室を去っていく。
一人になった私は、何となく気になって窓からグランドを覗いてみた。
野球部は明日試合だというのに、まだ練習している。
そんな中で、背の高い蓑島くんをすぐに発見することが出来た。
まだバットを持っていて、打撃練習している。
遠くからだから、どんな顔をしているのか見えないけど。
さっきの話から、真剣な顔をして練習してるのかな…とも、想像した。
蓑島くんが不安…ねぇ。
全然想像しなかった。
あの蓑島くんが。
何でも笑いながら、そつなく器用に切り抜けているのかと思った。
横川さんに言われないと、気付かなかったな…。
さすが、横川さん。
幼なじみだっけ。何でもわかってるんだな。蓑島くんのこと。
これは…一言『頑張って』と言ってあげるべきなのかな。
…いや、でも。プレッシャー感じてるんだよね。
なら、あまり触れてあげない方が良いのか。
この『偽物』彼女のポジションで、何をしてあげるのが、一番良いのか。
頭を捻らす。