マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様



…しかし、蓑島くんの不安やプレッシャーを取り除くために。

私にしてあげられること?



(………)



《ホテル行く?》



…ああぁぁ。

どうしてこんなことしか思い付かないの。

普段の蓑島くんの私に対する行動言動からは、こんなことしか思い付かない…。

そんなおふざけに持っていったらダメ!



蓑島くんは、プレッシャーを感じている。それだけ真剣なんだから。



マネージャーお得意の必殺お守りでも作ってあげるべきだったかな。

自分とこの部員のを作ってないで。

一応、彼氏なんだから。

『偽物』だけど…。



…それから結局。

蓑島くんに対して何をしてあげるかは、思い付かず。

グランドに戻ると、すでにみんな帰っており、誰一人いなかった。

洗濯、時間かけてしまった。

先輩から『先帰るよ』とLINEが入っていたのに気付かなかった。



…そういや、昼休みに、瞳真が『部活終わったら…』って、何か言いかけてたような。

蓑島くんが割り込んできて、うやむやになってしまったけど。

まあ、いいか。

だってもう、誰もいないし。




まだ練習を続けている野球部を横目に、一人で下校した。


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