マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様




家に帰っても、蓑島くんのらしくない不安の件が頭から離れなかったけど。

すると、当人から寝る前に『マダム、パンツ何色?』とお得意のLINEが入ってきて、『所詮こんなもんか…』と、思ってガックリしてしまった。

でも、それが不安の表れなのかな?とも思ったら『安眠のラベンダー色だから早く寝なさい』と、テキトーな色を教えて返信してしまう。

テキトーでもいいから、色を教えたら満足するかなとも思ってしまった。






…翌日。

快晴の秋空の下。

サッカー部は朝練だけど、普段朝練のない野球部もこの時間にグランドにいた。

野球部が、グランドの隅で軽くアップした後に、守備練習と打撃練習を簡単に行っている。

昨日洗濯して乾かしたビブスを畳みながら何となく気にして見てしまった。



「今日、野球部来てるねー」

「軽くアップしてこれから出発だってー。第二試合、11:30から麻生、相手強豪みたいだよ?」

「平日に試合かぁー。大変だね」



先輩マネたちが傍で話しているのを、傍耳立てて聞く。

それを聞くと、やはり横川さんの話は本当なんだと改めて実感する。



…蓑島くん、頑張れ。



結局、心の中でそう祈ることしか出来ない、私。





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