マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様



私がそう呟くと『おぉっ!マジで?!』と弾んだ声が聞こえる。

手に取った四つ葉のクローバーを、キラキラと輝かせた目で見つめ、あっという間に私から四つ葉のクローバーをかっさらってしまった。

そして、お礼も言わずに歌いながらさっさと去ってしまう。



もう、何あれ…。

変な人。



しかし、距離が離れたところで彼は振り返り。

私に向かって叫ぶ。



『俺のマイラヴハニー!』



え…。

今、何て言った?ハニー?

それ、私?



突然のハニー呼ばわりに呆気に取られてしまう。

急に何?この人!



すると、その四つ葉のクローバーを持った手を私に向かって掲げた。



『今日はおまえのために、愛のホームランぶち込んでやるぜ!愛してる!』



…はぁっ?!

ち、ちょっと…!



私は今、恐らくものすごい面白いほどビックリした顔をしているに違いない。

だが、そんなの構わずに彼は手を振ってそのままベンチへと戻っていった。

ベンチでは監督と思われるおじさんに『何してたんだこのアホ!』と怒鳴られている。



ホント、アホ。

何してんの?

何を言ったの…!



『愛してる』



って、意味わかってる?

単にふざけて言っただけ?…だろうね。こんな初対面のジャージ姿の女子になんて。



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