マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様
掻き分けた草むらから、ちょこんと姿を現している。
それは、キラキラと輝いているように見えた。
大きい葉っぱが四枚揺れた、四つ葉のクローバー。
…と、小振りの可愛らしい四つ葉のクローバーが寄り添うように並んでいる。
二つも…?!
まさかの展開に、心臓が跳ね上がったような気がした。
体に電流走った。そのぐらいの衝撃。
凄い。これ…奇跡じゃない?
二つ並んでるとか…宝くじで10億当てるようなレベルじゃない?
その『奇跡』を手にしないワケにはいかない。
並んで生えているそのクローバーたちに、指でそっと触れる。
根元を詰まんで、二本一気にプチッと摘んだ。
なぜか、恐る恐るその姿を確認する。
その手にしているものを。
しかし、何度見ても四つ葉のクローバー二本だった。
(やった…)
奇跡を手にして、感動に打ち震える。
手が、震えてる…。
嬉しい。
普通に、凄く嬉しい…!
辺りをキョロキョロと見回す。
…そうだ。
これにて一件落着ではない。
球場の方へと目を向ける。
蓑島くんのいると思われる球場へ。
そしてまた私は駆け出す。
今度は、四つ葉のクローバー二本という奇跡を持参で。
蓑島くんに、これをあげる。
頑張ってって、言うんだ。