マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様



…とは、言ったもの。



目の前にそびえる球場を見上げた後、また辺りをキョロキョロと見回す。



蓑島くん、どこにいるんだろう。



あまり人が歩いてない。

ポツリポツリとユニフォームを着た選手や、普通のおじさんが歩いているぐらい。



スタンドの方からは、歓声が聞こえる。

あと、メガホンを叩く音や、男子の応援の歌声が。



先ほど、スタンドから顔を出していた電光掲示板、得点板を確認した。

学校名は『北斗極星』『札幌南竜』って書いてある。

ただいま11時だけど。

うちの試合はまだのようだ。



蓑島くん、どこにいるの?

スタンドにいるのかな。

…ひょっとして、もう控え室?

本部、建物の中ってこと。

そこは、関係者以外立ち入り禁止なんだろうか。

会えるのかな…?



…いやいや。万が一会えたとしても。

この草二本を頂いて、ドン引きしたりしないだろうか。

っていうか、学校飛び出してやってきたこと自体ドン引きだよね。

この暴走っぷり。




いざとなると、不安と葛藤が登場する。



(………)



ここであーだこーだ考えていても仕方ない。

とりあえず行動しよう。

とりあえず、目の前の階段を上がってスタンドに行ってみようか。



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