マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様



しかし、そんなことを気にしてはいられない。

だって、応援しに来たんだから。





グランドでは、選手が出て来て試合前のシートノックが行われていた。

オーダーのアナウンスが流れていて、星天高校は先攻。

なんと、蓑島くんは1番センターだった。

私、野球は見るだけの方なので、ある程度の知識しかないけど、1番って確か打撃の主力の位置なんじゃ…。



「1番なの…」

電光掲示板を見てふと呟くと、横川さんが横から補足してくれる。

「悠介、打撃は好調なのよ。足もあるし。今回はベスト鉄板オーダーね」

「へぇ…」

蓑島くん、すごいんだな。

二年生いるのに、一年生でスタメンなんて。



しかし、相手は老舗の強豪校。

さっき、シートノックしているのを見たけど、何か貫禄があって強そうだ。

スタンドにいる部員の数も半端じゃない。

うちの高校の倍以上だ。

うちの野球部もそこそこ人数いる方だと思っていたのに。


こっちのスタンドには、ユニフォーム姿の部員以外にも、私服姿の若い男性が何人も来ていて、それぞれがメガホンを持っている。

こんな平日に?

「応援…学校以外の人も来るの?」

隣にいた横川さんに尋ねてみた。

「私服姿の連中はOBよ。最近卒業した先輩部員。引退した三年生は授業で来れないから兄貴に頼んで連れてきてもらったの」


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