マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様
「蓑島、マジか…」
「プレイボールホームラン…?」
何が起こったかわからず、唖然としていたギャラリーだったが、とたんに一気に歓声で沸き上がる。
「蓑島、すげえぇっ!すげえぞ?!」
「ホームラン、マジかあぁっ!」
こっちのスタンドも、まさかの初球ホームランに、大盛り上がりだ。
部員たちも、メガホン叩いて叫んで興奮している。
「な、何の球?打った…?」
「たぶん…甘く入ったインローの変化球…」
「あいつ、そんな変な球好きなの…」
「たぶん、狙ってた」
歓声の中、ダイヤモンドをゆっくりと駆け回る蓑島くん。
ホームに帰ってきて、ハイタッチをしながらベンチに戻る。
いつもの不敵な笑みを見せていた。
そんな蓑島くんを目で追う。
もう…。
《もし、星月が見に来てくれたら…おまえのために、バックスクリーンに愛のホームランぶち込んでやるぜ!》
…本当に、やっちゃった。
有言実行ホームラン。
すごい。
すごいよ…。
全身、ブルッと鳥肌がたった。
奇跡ともいえるこのホームランを、目の当たりにして。
胸の高鳴りは止まらず、興奮が冷めない。
体の火照りと一緒で…。