マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様
グローブを持って打球を待ち構える蓑島くんは、外野なのでここからだいぶ遠くにいる。
けど、遠くでもわかる。
あの集中している真剣な顔。
そんな彼をも見て、グッと力が入る。
頑張って。
勝って…!
試合経過は、うちは初回で二点いれたもの、相手は強豪の貫禄を見せ、着実に点を重ねられる。
だけど、こっちも負けずに点を取り返す。
蓑島くんは、次の打席でセンター前にヒットを打って、サードランナーが生還し、得点。
逆転され、逆転して。
そんなシーソーゲームのような乱打戦となっていた。
現在スコアは4-6。
うちの高校が二点を追うような展開となっていた。
七回表、うちの高校の攻撃。
歌もだんだん覚えてきた。
みんなとの一体感、たまらない。
すると、最初の打席から、ヒットが出た。
それを皮切りに、フォアボールが二打席続く。
あっという間に満塁になっていた。
「相手のピッチャー、制球乱れてきてんな」
スタンドの部員がふと呟いた。
「二人目なのにへばるの早いな。2イニング越えてないだろ?」
「二番手だろ。調子悪いんじゃね?」