マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様
「でも、南豊の蓑島っていろいろ有名だろ。中学ん時は真面目にやって結果残したけど、小学生ん時はかなりの荒くれ者だったらしいぜ?」
「あぁー。ハイターズジュニア、最終選考まで残ったのに、当日ボイコットしたって話だろ」
「いろいろと気難しいヤツだったって話。試合途中で勝手にマウンド降りるとか」
蓑島くんが荒くれ者?気難しい?
…そんな小学生だったんだ。
今の蓑島くんじゃ想像つかない。
昔から人たらしではなかったんだ。
しかし、良い噂でも悪い噂でも、何の接点もない大人の話題になってるなんて、凄い選手である証拠だ。
本当に、凄いことやっちゃったんだな。
…だなんて、嬉しくなってしまう。
スタンドに戻ると、私達がいた場所はすでに他校の部員で溢れ返っている。
辺りを見回したところ、みんなの姿がない。
モタモタしていたら、置いていかれたようだ。
とりあえず、引き返して下に降りようと思い、再びスタンド裏に戻り階段を降りる。
一人で歩くその頭の中では…先ほどの試合の感動を思い浮かばせては、ドキドキとして気分を高揚させてしまう。