マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様
《もし、星月が見に来てくれたら…おまえのために、バックスクリーンに愛のホームランぶち込んでやるぜ!》
あっ…。
そう言えば、こんなことを言われていたなんて、思い出すと急に恥ずかしくなってしまう。
急激に胸がドキドキさせられる。
も、もう…。
うるさく高鳴る胸に手を当ててしまう。
(………)
…胸に手を当てて。
頭の中を駆け巡るのは。
《おまえは、なんて可愛いヤツなんだ!》
抱き締められた時に感じた、蓑島くんの体温と。
ぬるま湯みたいな温もりと。
私の胸を高鳴らせるには、それで十分だった。
私、ひょっとしてもう…蓑島くんのこと。
…そう思うと、とても蓑島くんに会いたい。
会いたくなってしまった。
この想いを確かめたくて。
階段を降りる足が、ちょっと早くなる。
《…あんた、ハマってないよね?悠介に》
…ごめん、斗弥子。
私、そうかもしれない。
《やっぱあんたぁっ!…ハマってんじゃないのよおぉぉっ!》
ううぅぅ…怒られる!