マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様
私の声が届いたのか、彼はしばらく辺りを見回した後、こっちに振り向く。
「…おー!星月!」
見つけた私に手を振る蓑島くん。
そのいつものスマイルを振り撒くかのように。
その笑顔を見ると、安心する。
どれだけ背中を押してもらったか。
勇気づけられたか。
そんな手を振ってくれる彼のもとへ、足を踏み出そうとした。
…けど。
「…悠介っ!」
私の背後から彼の名前を呼ぶ声がして、思わず足を止めてしまう。
と、同時に肩がドン!とぶつかり、少しよろめいてしまった。
私の目の前に入り込み、サッとスピードをつけて走って行ってしまう。
え…。
目の前の光景にガクッとなってしまう。
芸人のリアクションみたいに。
え…!
「悠介、やったっ…やったよぉっ!よくやったっ!」
「…ば、バカ!こんなところで!」
思わず唖然としてしまった。
私の肩にぶつかったのは、横川さんで。
横川さんは、蓑島くんのもとへと走って行き。
飛び掛かるような勢いで、バッと蓑島くんに抱きついた。
…ん?んん?