マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様



「………」



目の前の光景に、開いた口が塞がらない。

これ…。



…ここで、ふと。疑問が生じる。



あれ?

蓑島くんと横川さん。

二人は付き合ってないんだよね?

ただの幼なじみなんだよね?


…でも、横川さんは、蓑島くんに泣きながら抱きついて。

で、蓑島くんはそんな横川さんを慰めるように、頭を撫でて…背中ポン?



…って、ただの幼なじみの頭、撫でる?



だってだってだって。

この場面、おふざけの場面じゃないよ?

本気で泣いて、慰めて…からの、頭撫でだよ?

しかも、背中ポンだよ?



これ、端から見たら…誰もがデキてるって思うよね…?



待って待って待って。



彼女、私…だよね?

偽物だけど。

でも、表面上は、私…だよね?



すると、私と同じ光景を見ていた、傍にいる野球部員がこそこそと話をする。



「わぁー。横マネ、蓑島に抱きついてるわー」

「いいないいな。俺も横マネなら抱きつかれてえ」

「無理無理。横マネは蓑島のモンだろ?」



…ええっ?!



横川さんは、蓑島くんのモノ…?!



同じ野球部員には、そう周知されてるの…?

ちょっとちょっとちょっと。

私の存在は…?



< 362 / 800 >

この作品をシェア

pagetop