マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様



全然知らなかったその事実に、一瞬騙されているのかと思った。



『何かさ、女子が可愛く見えてきてさ?恋愛のお年頃?』

『…そうなんだ』

『彼女いると楽しいぜー?この間の日曜日、少年団のみんなと彼女連れて札駅遊びに行ったしよー?』

『へぇ…』

『で、星月は?彼氏いないの?』

『わ、私…好きな人すらいないって』

『それもそうだよな。おまえ、サッカーばかりで忙しそうだし?サッカーが恋人?だな』

『………』



何か…私だけ。

私だけ、あぶれているみたい。



…いや、私は『女子』だもん。仕方ない。

そのカップル集団の集まりに誘われるわけ…ないか。

日曜日。私、夕張で試合やってた。



でも、仲間が集まるその場所に、呼んで貰えなかったのは、寂しいと思ってしまった。





…恋愛のお年頃?




『この間、彼氏と札駅行ったんだー!』

『ホント?何してきたの?』

『とうとうキス…!』

『…え?!何なに?その話聞かせて!』

『私も私も!』



そうだよね。

気がつけば…休み時間の教室内では、女の子たちはみんな恋話に夢中だったり。

髪を整えたり、鏡で自分の顔を見たりしている。



みんな『恋愛』してる。

『女子』をめいっぱい楽しんでる。



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