マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様
風がフワッと吹いて、振り返る。
「あ…」
そこには…公園の外から私の姿を見つけ、きょとんと立ち尽くしている。
驚いているみたい。
「瞳真…」
「な、何してんのおまえ…?」
そう言って、公園内に入ってくる。
「あ…ちょっと走りに」
「走る?何で?膝大丈夫なのか?」
「膝は大丈夫だよ」
「で、何で?何で走んの?」
随分と質問攻めをしてくるね…。
そんなに驚かせることだったんだろうか。
「球技大会近いから…それに向けて」
「…は?」
瞳真の顔が、クールなポーカーフェイスながらも眉間にシワを寄せている。
疑問だらけといった表情だ。
「何で?球技大会で何で走んの?」
「試合に出るから。フルに走れなかったら使い物にならないでしょ」
「フルに走るって、マラソン?球技じゃないだろ?」
「…サッカーの試合に出るの!普通にボケるな!」
「サッカー?おまえが?」
「そう!…男子の中に女子一人混じって出るの!」
もう!しつこい!
最近、何でこんなにしつこいの!
普段なら何でも興味なさそうに「あ、そう…」って、さっさと立ち去っていくのに!
「………」
私がムキになってやけくそに言い放った返答に。
瞳真がポーカーフェイスのまま固まった。