マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様
最高に作りまくった、偽りの笑顔を見せてみたけど。
そのまま、瞳真を見ないでその場を去る。
なぜかというと、泣けてきそうになったから。
涙が出そうだった。
私、瞳真を取られたと思ってしまった。
後藤さんに…時の流れに。
私はただの『仲間』で。
後藤さんは、特別。
朝の出来事が、それを物語っている。
そのことに、腹がたった。悔しかった。
悲しかった。
今までサッカーばかりで意識してなかった恋愛。
ようやくここで気付いた。
私は…瞳真のことが好きだったんだ。
瞳真はいつも私の隣にいて。
良いアシストをしてくれて。
ずっと一緒にいる。
私にとって…瞳真は特別な存在だった。
…でも、それは小学校の時にすでに終わっていて。
私だけがそう思っていた。
私だけが、そこに取り残されたままだった。
…それからは、瞳真には何度か朝ランニングの誘いはあったけど。
今、瞳真といるのは辛くて、すべて断った。
その他に、いろいろ遊びに誘われたけど。
私にはチームの日程や練習もあって忙しいし…今はまともに瞳真の顔を見れない。
すべて、すべて断った。
もちろん、瞳真との距離も離れる。
廊下ですれ違っても、声をかけることはなかった。
向こうも『めんどくせーヤツ』って思っていたと思う。
関係が修復出来ないまま、中学卒業を向かえた。