マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様
…でも、蓑島くんは毎日この方面のバスに乗って、学校行ったり家に帰ったりしてるんだよね。
と、思うと、このバスに乗れることをちょっと嬉しく思う。
蓑島くんは、いつもこの景色を見ながらバスに乗ってるんだ。
今、私、同じものを見てるんだ…なんて。
この景色を見ながら…。
この景色を…。
(………)
…その景色を見続けていたが、だんだん不安になってくる。
かれこれ30分、バスに乗っているんだけど。
国道沿いに立ち並ぶ建物が、距離を走るに連れて少なくなっていく。
建物との間隔が広くなってきて、草っぱらが目立つようになってきた。
景色が、もう田舎だ。
え…私、乗るバス間違ってないよね。
私、どこに連れて行かれるの?
ここ、市内だよね?!
不安が増しに増してしまう。
ついつい蓑島くんに確認のLINEをしてしまった。
《今どこらへん?》と返信が来たので、現在通過したバス停の名前を教える。
しかし、《大丈夫!合ってるよ!言われた通りの場所で降りて》
と、メッセージが返ってきた。
え…蓑島くんって。
こんな田舎に住んでるの?!