マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様
「俺んちあそこ」
そう言って、蓑島くんは人の話し声がする、その活気のある場所を指差す。
え…とうとう、到着してしまった!
思わず足を止めてしまったが、そんな私には気付かず蓑島くんはずんずんと先に進んでしまう。
家の前には二台ほど車が停まっており、その間をすり抜けて行ってしまった。
慌てて後を追う。
「ただいまー!」
「おっ。おかえりー」
家の前のカーポートの下では、煙の出たバーベキューコンロを囲んだ大人の男性が三人。
布製のキャンピングチェアに腰掛けて、くつろいでいる様子だ。
その大人の一人、ツーブロックの短髪の男性の方へと蓑島くんは寄っていく。
「悠介、友達来たのか?」
「うん。来た。牡蠣よろしく」
すると、その男性はゆっくりと私に視線を移す。
私と目が合うなり「お、おぉっ!」と、体を震わせて驚いていた。
私も思わず一緒にビクッとしてしまう。
「と、友達って…女の子?!」
「だから、そうだって言ってるじゃん。冗談だと思った?」
「冗談だと思った…」