マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様
「…星月!」
「は、はい!」
蓑島くんに声を張り上げられて、思わずびっくりしてかしこまった返事をしてしまう。
いつの間にか、下の名前で呼んで…。
「星月、みんなに置いてかれてるとか、思う必要ないんだからな?!」
「え…?」
「恋愛なんてな?人生に一度、でっかく燃え上がる恋を一回だけすりゃいいの!」
「は、はぁ…」
「星月は、サッカーを頑張って頑張って頑張り抜いたんだ。そこを恥じる必要なんて、全くない!そこは誇りに思え!チャラチャラ女で遊んでいたヤツらとは、格が違うんだよ!」
「う、うん…」
「たかが水口一人に、いつまでもウジウジしてんな!…俺が彼氏になってやるから!」
「う…う、ううん?…はぁっ?!」
耳を疑った。
は…今の、何?
どさくさ紛れに、この人、何か言ったよね?
彼氏になってやる…とか。
「どさくさ紛れに…何か言ったよね?」
「…ん?」
私が質問すると、首を傾げている。
だよね。だよね。やっぱりね。
そんな冗談…。
「…だから、おまえとの約束をすっぽかして、女とイチャこいて『あー。ごめーん?』なんて言ってる水口のことなんて忘れて、俺様と付き合え!俺が彼氏になってやる!」
「じ、冗談でしょ?!」
しかも、命令口調!
どうなってんのよ!蓑島くん!