マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様


「え?どこ守ってるか聞きたくない?せめて内野なのか外野なのか知りたいしょ」

「まぁー。ちなみに使ってるグラブのメーカーも聞きたい」

タトゥーをいれてる細長い人も、一緒になってやんややんやと言い始める。



私は…何を言われてるのか、全くわからない。

守備位置?グラブ?

何の話?



すると、蓑島くんのお父さんは、苦笑いを浮かべている。



「高志、芹沢、JKだぞ?野球のルールすらわかってるか不明なJKだぞ?」

「は?…は?雅治のバカヤロー!JKがZETTをゼットと読めるのかも知りたいべや!ゼットイーティーティーで、ゼェーットだぞ?ZETTほらほら」

芹沢さんはいつの間にか、手に金属バットを持っている。

ZETTと書いてあるロゴを指でサワサワと触って見せていた。

あれがゼット…。



「バカヤローはおまえらだよ。杉久保さん困ってるだろ。この世の老若男女全人類が全員野球をやってると思うな」

「わぁー。雅治のヤツ、お父さんぶっちゃって!汚らわしい!」

「だってぶってねえホントのお父さんだし。高志のヘソら辺に生えてる毛の方が汚らわしいわ!」

「…で、杉久保さん、どこ守ってんの?」

「え、えっ…」



酔っ払いの話、よくわからない…。

おじさん達の変な話の世界に連れてかれる…。

…で、私、どこ守ってんの?

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