マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様
火山がバックで爆発したかのごとく、急に大声で叫び出していた。
まるで、お化けでも見たかのように、驚きに驚いている。
「…せ、せづマネ!な、何でここにいんの?!…って、悠介、おまえか!」
私が蓑島家にいることに驚きを見せていた紫苑先輩だったが、何故なのかはすぐにわかってしまったようで。
その原因となっている蓑島くんにも、登場早々喰ってかかる。
けど、蓑島くんはそんな勢いに怯むことはなく、余裕たっぷりに意地悪そうな笑みを向けていた。
「えー?俺がせづを連れてきたらダメなのー?紫苑くんには関係ないじゃん?」
「おーまーえ!」
二人が軽くモメているのを眺めるように見守る。
この二人、いつもこんなんなんだろうか。
蓑島くんが若干、紫苑先輩をバカにしてる感がある。
紫苑先輩をバカになんて、サッカー部内では考えられない話だ。
「………」
そして、傍で私と同じように、二人の様子を眺めていたのは、蓑島くんのお姉さん。
やれやれと言いたそうな、うんざりとした表情だ。