マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様


火山がバックで爆発したかのごとく、急に大声で叫び出していた。

まるで、お化けでも見たかのように、驚きに驚いている。



「…せ、せづマネ!な、何でここにいんの?!…って、悠介、おまえか!」



私が蓑島家にいることに驚きを見せていた紫苑先輩だったが、何故なのかはすぐにわかってしまったようで。

その原因となっている蓑島くんにも、登場早々喰ってかかる。

けど、蓑島くんはそんな勢いに怯むことはなく、余裕たっぷりに意地悪そうな笑みを向けていた。

「えー?俺がせづを連れてきたらダメなのー?紫苑くんには関係ないじゃん?」

「おーまーえ!」


二人が軽くモメているのを眺めるように見守る。

この二人、いつもこんなんなんだろうか。

蓑島くんが若干、紫苑先輩をバカにしてる感がある。

紫苑先輩をバカになんて、サッカー部内では考えられない話だ。



「………」



そして、傍で私と同じように、二人の様子を眺めていたのは、蓑島くんのお姉さん。

やれやれと言いたそうな、うんざりとした表情だ。


< 423 / 800 >

この作品をシェア

pagetop