マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様



その横顔は、さすが蓑島くんのお姉さんだけあって、そっくりではないが端正な顔立ちをしている。

黒髪の艶々なストレートロングで、美少女というよりは、キレイ、カッコいいという表現が合う。

背も高い方、私と同じぐらいだ。

まさしく、クールビューティー。



ふと、目が合う。

思わず、ペコリとお辞儀をすると「…あ」と、目を見開かれる。


「せづマネ。サッカー部のせづマネでしょ?紫苑先輩から話聞いてるよ。女子サッカーのすごい選手だったんでしょ?小学生にして日本代表選抜に選ばれたとか」

「あ、はい」

すると、蓑島くんとモメ終わった紫苑先輩がいつの間にか私達の話に加わっている。

「…え?せづマネ、小学生選抜?U-15じゃなかったっけ?」

「あ、U-12にも選抜されたことありますが…」

「…ん?あれ。私、誰から聞いたんだろ」

「せづマネ、小学生の時から全国選手だったのか。俺知らなかったー」

「あれ?言ってませんでしたっけ」



三人で話し込んでいるそこに、またしても「あらー。またやってるのー?蓑島家ー?」と、おばちゃんの声がする。

通りすがりのようだ。



< 424 / 800 >

この作品をシェア

pagetop