マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様


私達…いつから、こんなにも一緒にいなかったんだろう。





ふと見ると、瞳真がパンのカスが付いた指先をペロッと舐めている。

あっ…指先は舐めるなって言ってるのに!



「ち、ちょっと!」



すかさず手元にあったおしぼりを差し出してしまう。

「ん?」

「指!舐めたらダメって前から言ってるでしょ!」

「あ、そうだった。っつーかなんでダメなの。星月、昔からうるせえよな。指」

「…汚いでしょぉぉっ!」

瞳真は顔色を変えずに、私からおしぼりを受け取って指を拭いている。

何事もなく、普通に。

それが、当たり前のように。




(………)



いつから、こんなにも一緒にいなかったんだろう。



…でも、一緒にいなかったのに。

何で、お互いのことを分かっちゃうんだろう…。




(あ…)




少し前の記憶を辿る。




《じゃあ、剥いてやるからあれ持ってきて》

《はいはい》




この感覚は、さっき目にした『違和感』に近いものであることを。





《…あ?これ?レモンか?》

《うん》

《ありがと》





見えない『絆』ってやつ…。




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