マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様
何よ。何よ。何なのよ。
何でわかっちゃうのよ。
心の内を見透かされているのも、そこを突っ込まれるのも嫌なので、そこはとりあえずのさよならで、さっさと切り上げる。
踵を返して背を向けた。
「…あ、待って。家まで送ってく」
瞳真のその予想外の一言に、思わず足を止めてしまい、振り返ってしまった。
瞳真が、私を?
家まで送る?
「…え?送る?…うちすぐそこだし。別にいいよ」
いったいどういう風の吹き回しか。
今までそんなこと、一回も言われたこともなけりゃ、してもらったこともない。
違和感なんですけど。
そんな予想外な発言をしたにも関わらず、そこの男は表情崩さすこっちを見ている。
まるで、当たり前のことを言ったかのように。
「もう暗いし。近いったって5分以上歩くだろ。送ってく」
「い、いいって別に!ダッシュで帰るから…」
「それは膝に悪いから。やたらむやみに走るな」
「ひ、膝は大丈夫だよ!」
「大丈夫じゃない。それに、女子が夜道を一人でうろつくなんて危ないだろ」
「え…」
今…何て言った?
『女子が…』って、言ったよね?
私のこと…『女子』って言った?