マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様
待って。待って待って待って。
しかし、心の叫びも届かず、瞳真はこっちにやってきて私の横に並ぶ。
「ほら、行くぞ」
「…あ、待って」
そう言って、私を誘導するように、少し前に出て先を歩き出した。
えっ…待って待って待って。
それって、心配してくれてる…?
私を、女の子扱い…してくれてる?
ちょっと、今さら…なんですけど。
瞳真にそう見て欲しい。
そんな風に願っていた時もあったけど、それは全然叶わなかったのに。
今さら…。
「何してんの」
立ち尽くしたままで後を着いてこないことに気付いたのか、後ろを振り返ってくる。
「…あ、ごめん」
慌てて、先に行く瞳真の背中を追う。
後ろを歩きながら、その背中を見上げる。
…見上げる?
身長なんて、私よりも低かったのに。
中学入学の時は、同じ高さで。
いつ、追い越されたんだっけ。
今じゃもう身長差がありすぎて、見上げるばかり。
「身長…何㎝になったの?」
「177」
13㎝も差がついてる…。
肩幅も広くなって…もう、大人の男だ。