マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様
…その後の帰り道は。
パン屋での談笑の続きみたいな感じで、だらだらと話しながら歩いていたけど。
会話がイマイチ頭に入って来なかった。
「生筋子届いたらどーすんの。俺、家まで持ってく?」
「……あ、あっ。うん…」
「そろそろ時季だからそろそろだろ」
「う、うん…」
…単純だけど。
女の子扱いされたことに、妙に意識しちゃって。
胸がうるさく高鳴ったままだった。
私の意とは裏腹に、やかましく高鳴る胸の音に気付かれないようにするのに必死で。
何となく口数少なく、黙り込んでしまった。
そんな感じで、二人で歩く時間は過ぎていき、私の家の前に到着する。
短いようで、長かった…。
「あ…家までありがと」
考えれば考えるほど恥ずかしくなってきて、お礼を言うものの、瞳真から目を逸らしてしまう。
「星月」
「…ん?」
「おやすみ」
「あっ…お、おやすみ」
私がそう言うと、瞳真は何となく…笑顔になっている。
瞳真は普段ポーカーフェイスで、感情があまり表情にでない。
さっきは、私をバカにするあまり、おもいっきり大爆笑してたけど。
実は、男友達とバカをやってふざけ合って大爆笑は、滅多にしない。
でも…そんな瞳真が少しばかりか、笑顔になっている。