マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様


ドアの向こうからは応答はなく。

玄関のドアの前で大声で泣き叫び、その場にしゃがみこんでしまう。



その時、一台の車がカーポートに車庫入れしてきた。

まさか…。

車の後部座席のドアが開いて、助けを求めていた人物が降りてくる。



『ゆら?おまえ、なにそのカッコ!』

『ゆうすけ…うわあぁぁぁっ!』



ちょうど家族で外出先から帰ってきた蓑島くんに、すがるように抱き付く。

『…ゆら!どうしたんだ!』

『はぁ?!リオのカーニバル?!』

そこには、おじさんやおばさん、大人もいたのに。

まっしぐらに蓑島くん、だったそうだ。






…これで、変態彼氏の悪業が明らかとなった。

それからが大変。



横川さん本人から事情を聞き、蓑島くんのお父さんはまず…先輩である横川さんのお母さん、ではなく。

おばあさん、菊乃さんに連絡をする。

横川家ではただならぬ事が起こってると察したからだ。



すると、祖父母は外出先からすっとんで帰ってくる。



『ああぁぁっ!何て恥ずかしい格好を…!私の可愛いゆらに何てことをするんだ!…あのバカ娘とその彼氏ぃっ!…殺す!』



孫たちを溺愛していた、祖母・菊乃さん、御立腹!



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