マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様


菊乃さんの怒りは止まらず、そうして孫三人は半ば強制的に祖父母宅へと連れて行かれる。

彼氏に懐いていると言っていた兄二人だったが、何のためらいもなくあっさりと出ていった。

『だってばあちゃん毎日焼き肉とポテチ食わせてくれるしなー?』って。



幸せを築くはずだったアパートの一室には。

写真を撮るのが好きな、ろくてないロリコン変態彼氏と。

母親に勘当寸前になり、子供を奪われた、ろくてない娘だけが残った。



…さあ、こっちも修羅場だ。



『…何てことしてくれたのよぉぉ!…しかも、何よこのいかがわしい写真はぁぁっ!…バスタオル一枚?男物のワイシャツ?…コスプレキャバクラじゃないのよぉっ!』

『だって話を聞いてくれ!ゆらは何を着ても可愛いんだぁっ!それだけだ!』

『…聞いてくれっていうほどの話じゃないじゃないぃっ!私ではなく娘のゆらに惚れ込んだ?!…ひどいじゃないのよ!詐欺よぉぉ!ああぁぁ!』



…結局、そのロリコン変態彼氏とは終わりとなる。

何もかも整理して、アパートも引き払って一ヶ月後に母親は単身実家に戻ってきた。

家の敷居を跨ぐのにも、相当モメたらしい。


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