マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様
「…は?」
「斗弥子から聞いてるよ?…蓑島くんにはずっと付き合ってる彼女いるって。ほら、あの…二組の美少女…」
とても有名な子。
野球部のマネージャー。
名前、何だっけ。
私の発言に、最初は首を傾げていた蓑島くんだったが、ひらめいたようで「あー!あー!あー!」と声をあげていた。
「二組って、ゆらのこと?…あぁ、アイツ?彼女じゃねえよ?」
「…はっ?だ、だって」
「あれはただの腐れ縁だから。強いていえば…俺のくノ一?」
「はっ?く、くノ一?!」
何それ。くノ一?お庭番?
あなた、戦国時代の人?殿様?
「ゆ、有名な話だよ?野球部のマネージャーさんと付き合ってるって!だから誰も蓑島くんには手を出さないって!」
「あ、そうなの?でも違うもんは違うもん。ゆらは彼女じゃねえ。幼なじみ。腐れ縁」
「えっ!…でも、やっぱりダメ!蓑島くんはミスターだし!」
「ミスターの彼女だと嫉妬でイジメに合うって?恋愛小説の鉄板だな?…大丈夫。俺が守ってやるから。フッフッ…」
「そうじゃなくて!」
いや、それもあるけど。
ダメ。ダメダメダメ。
やっぱ、この人は無理。
いろんな弊害が…!