マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様
…そう。もうこれで、蓑島くんとは終わりにする。
また、普通のクラスメイトに戻る。
深みにハマらないうちに、傷が浅いうちに。
これでもう、わかったんだから。
「…で、水口のことはもう忘れられたの?」
「…へっ?!」
斗弥子が真顔に戻って、問いかけられる。
不意に聞かれたので、声が裏返ってしまった。
「だって。そこが偽彼氏の目的でしょうが。水口のことを忘れるためでしょ?そこはどうなの」
「それは…」
口をつぐんでしまうと、斗弥子が「ほらほらどーなのよ」と肩を小突いてくる。
斗弥子と彩里には…本当のこと言わなきゃダメだよね。
意を決して口を開く。
「…正直、蓑島くんのことでいろいろ何やかんやあった時には、頭にはなかった。でも…」
「でも?」
「…でも、蓑島くんと横川さんの様子見てて、菊乃さんの話を聞いたら…実は、二人のこと『わかる』って、思っちゃった」
「え?どういう意味?」
「二人の絆が強いって関係、見てたらまた思い出しちゃった…瞳真のこと。タイムリーに実は昨日、帰りに偶然会っちゃってるんだよね…」
「………」