マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様


「そ、それは…部内恋愛だし、今は大会の大事な時期だから大っぴらにはしてないんじゃ…」


それに、付き合うだか何だかの話も…ちゃんとこの耳で聞いていた。

そこからのキス現場も…見た。

現在でも、伊野くんを交えて帰りに一緒にいる姿は見てるし。



「い、いや…考えろったって、もうそういうことだから、考えるも何も…」

「いや、もう一回良く考えな」

「う…」

改めてズバリと言われると、そこからの反論の余地は無くなってしまう。

「はい…」と、返事をするしかなかった。

でも、本当に考えることなんてないよ。

まあ、いいか。




…それは、そうと。

蓑島くんとは、もう終わりにする。




そう考えがまとまると、何だかすっきりした。



やっぱり、苦しい時に誰かに相談するって、必要だ。

友達の有り難さを改めて感じる。

…昨年、ケガした時も、誰かに相談して話を聞いてもらったりしていれば、孤立してネガティブな方向に行くこともなかったのかな。

今頃、サッカー続けていたのかもしれない。



一人で、なんでも背負って頑張っちゃうのって、良くないんだ。

そんなことが身に染みた一時だった。




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