マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様
…それはそれで、まあいいか。
私とイオンでタピるより、瞳真と自主練してる方が有意義な時間を過ごしていると思う。
このまま声を掛けないで帰ろう。
ヘタに声を掛けて「そういや…」って話になると、自主練が終わりそうだ。
その奥にある野球部のグランドにはまだ人がいて、バットを振っている部員もいる。
こちらと同様、自主練習を行っているようだ。
野球部も来月から本選があるしね。
蓑島くん…いるのかな。
遠くからでもその姿を探してしまう。
野球をしている蓑島くん、カッコよかったな。
普段とのギャップがあるから、なおそう感じた。
…昨日の昼までは、蓑島くんでいっぱいだった。
お家に呼ばれて浮かれていて。ドキドキなんかしちゃって。
お父さんとお母さんに会うのに、緊張なんかしちゃって。
頭の中には、蓑島くんしかいなかったのに。
現状を知ると、こんなにも冷めるとは。
…冷める?
いや…何となくわかっていたのかもしれない。
蓑島くんと横川さんの仲の深さも。
結局は、こうなることも。
だから、潔く別れる事をすぐに決めることができたのかもしれない。