マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様
「えっ…!」
バレてた?…いや、感付かれただけ?
なぜ、この人は鋭く見透かすことが出来るんだろう。
「…まさか、俺とゆらの話を聞いて、自分はからかわれてるとか遊ばれてるとか、思っちゃった?」
「あ…」
思った。思ったよ。
正直、二人してグルになって私のことをからかって笑ってるんじゃないかまで思った。
…でも、真剣な顔で、距離をゆっくり詰めて迫ってくる蓑島くんに、そんなことは言えず。
恐いと思ってしまった。
「…星月は、ゆらのことは気にしなくていい。菊ばあから何を聞いたかは知らないけど、何も気にしなくていいから」
「で、でもっ…」
「だったら、その『偽物』の肩書き、取っ払ったって構わない」
「え…?」
「星月がいいなら、俺の『本物』の彼女になったって構わないんだよ?」
横川さんのことは、気にしなくていい?
偽物ではなく、本物になったって構わない…?
何…言ってるの?
「…星月は『特別』だから」
蓑島くんの顔が、すぐ目の前にある。
至近距離で、じっと見つめられて。
いつの間にか、顔の左右傍の壁にそれぞれ手を置かれていて、逃げ道が塞がれていた。