マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様



「み、蓑島くん…?」



その美形の端正な顔は、私の顔にゆっくりと近付いてくる。



これ…キスされる!



(わ、わわわっ…)



だなんて、慌てる間もなく。

予想通り、唇に唇が近付いてくる。



だ、ダメーっ!



「…だ、だだだめっ!」



頭で考えるより、先に手が動く。

出てしまった手は、襲ってくる蓑島くんの唇を塞いでしまった。

右の人差し指と中指の二本の指で、蓑島くんの唇を押さえている状態。

唇のぷにっとした柔らかい感触がした。



「………」



私の二本指で唇を制止された蓑島くん。

その状態のまま、シラッとした目で私をじっと見る。

まるで、チベットスナギツネの目…!



あ…ああぁぁっ!

わ、私、何を…!



キスを阻止、拒否してしまうなんて。

やらかした感、満載…!



「あ、あの…」

「………」



蓑島くんの視線が痛い…。

これは、謝罪するべきなんだろうか…。



あはは…と、笑ってごまかそうとした。

その時だった。



「…きゃああぁぁっ!」


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