マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様
何で、いつの間にかこんな近くにいるの!
気付かなかった。
ホントにくノ一?
「『ゆらじゃねえか』じゃないわよ。あんたどこまでボール探しに行ってんのよ」
「お、ボールは見つけたぜ?でも、ここで覗きしてるサッカー部のマネも見つけてさぁー」
な、関係ない人に何を!
栗色のフワフワのロングヘアを後ろでルーズに一纏めにしたヘアスタイルは、様になっている。
そのパッチリとした大きい瞳で、私達をじっと見ていた。
ツンとした態度をしているが、学校1の美少女と呼ばれている彼女なら…許される。
顔も小さくて、体も小さくて華奢で。
肌も白くて。
まさに、これぞ美少女。
彼女の名前は、横川ゆら。
お隣の二組の女子。
野球部のマネージャーで。
その麗しい姿ゆえに、学校1の美少女と名高いことで、有名。
正直、こんな美少女見たことない。
うちの近くのパン屋さんの娘とタイはるぐらい、美少女。
彩里や美優も同じく小さくて可愛いが、本人たちも認めるぐらい、この子はレベルが違う。
ダントツ、美少女。
そして…この、蓑島くんの彼女と呼ばれている。
タイミングが良いのか悪いのか。
直々に、彼女が登場してしまった…!
その美少女・横川ゆらさんは、そのツンとした目で、気持ち斜め上から私達を見つめ続けている。
「…で、何回も聞いてるけど、誰と誰が付き合うの?」
こ、これ、まずいんじゃ…。
「あ、俺とここの星月ね」
…そんな悪びれもなくあっさり言わないで!
蓑島くん…!