マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様



すると、彼女の目線が私のみに移る。

何となく驚いているようにも思えるその表情。

私だけをじっと見ている。



「あ、あの…」



美少女に見つめられると、同性でありながらも照れるというか、緊張するというか。

でも、それ以上に…さっきの蓑島くんの一言で、彼女が何を思ったか。

それが一番恐い。



「ふーん…誰かと思ったら、悠介のクラスのせづマネでしょ。サッカー部のせづマネ」

「そう!そうそう!」



横川さんと私は顔見知り。

お互いマネージャーだから、いろいろなところで出くわしたり、たまに立ち話もする。



「…で、あんたとサッカー部の敏腕マネージャーが何で付き合うの。せづマネは確かにあんた好みの大人っぽいグラマラスなスポーツ女子だけど」

「それはかくかくしかじかあるんだよ。…聞く?」

「聞く。すべったら殺すわよ」




そして、かくかくしかじか。

横川さんに説明する蓑島くん。




「…したらさ?そこで、水口とサッカー部マネの村河がぶちゅーってさ。したら、星月が『あぁぁ、ショック…誰か傍にいてぇ…』って、泣いちゃってさー」

「…ちょっと!誰もそんなこと言ってない!泣いたけど、言ってない!」




しかし、この蓑島という男。

話を盛る盛る。




「ふふっ。おまえのあの涙は忘れんよ?ついでに物欲しそうに俺を見つめる瞳もな?うひひ…」

「…そんな目、してない!してない!…横川さん、それは嘘だからね!」

「いや、大丈夫よ。滑稽な部分はだいたい作り話ね」

わかってくれて、有難い…。



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