マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様


慌てて駆け付けて、鍵を入れて鍵穴を回す。

ドアを開けて電気を付けると、瞳真が先に中へ入った。


「ここでいい?」

隅にあるマネージャーの仕事机の上に段ボール箱を下ろしてくれる。

「うん、ありがと」

と、言いながらも、納品したものの数をちゃんと確認しておかなければ…と、気が付いてしまう。

机の引き出しの中から、注文書を探して取り出した。



「…まだ仕事すんの」



注文書を見ながら箱の中身の数を数えだした私を横目に、瞳真は傍にあった椅子に腰掛けている。

その言い方は、やれやれ…と呆れているようにも聞こえたけど。



「数確認するだけ。受け取ったらすぐ確認しておかないと」

「…せっかちだな。昔からだけど」

「瞳真がのんびり屋さんなの。…そんなとこ座って、帰らないの?」

「別に。帰るけど」

とは言いつつも、椅子から立ち上がる様子はない。

本当にのんびり屋さんだ。



そんな瞳真はさておいて、納品書と注文書を照らし合わせて確認。



「ボールクリーナー4つ…アイスパック3つ…」

「おまえ仕事しすぎじゃね?他に振り分けろよ。村河とかに」

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